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国産の黒曜石の原石です。
黒曜石(オブシディアン)は、本来は岩石になるはずのマグマが地表に出て急激に冷やされ固まった事によりできたガラス質の鉱物です。
つづいて、産地。
長野県の中ほどにある霧ヶ峰から八ヶ岳の一帯には、良質な黒曜石が産出します。
この一帯にある和田峠から採掘された黒曜石も良質の物になります。
かつてこの八ヶ岳を中心とした中部高地には縄文文化を感じることができるムラが多く存在していました。
稲作文化が始まっていない縄文時代には、狩猟による食料調達が必須でしたが、それには良質な石器が必要でした。
黒曜石は割ると貝殻状に鋭利に割れる性質を持っていて、またガラス質の為ナイフや矢じりに加工しやすく、この時代に重宝されていました。その当時物々交換によって取引されたであろう矢じりは、北は山形県、南は三重県という広範囲の遺跡で見つかっています。
和田峠産の黒曜石が良質だった事を物語っていますね。
また、霧ケ峰近くにある星糞峠には縄文人が黒曜石を掘っていた跡が残る遺跡があります。
※2018年5月、八ヶ岳を中心とした中部高地の縄文文化が「日本遺産」の認定を受けました。
詳しくは、文化庁日本遺産ポータルサイト『星降る中部高地の縄文世界』をご覧ください。
こちらは表面が擦りガラスの様にザラザラしている部分もありますが割れてガラス質の部分が多くあります。
割れ口が鋭利なので取り扱いには注意が必要です。
こちらは磨いた石です。
ガラス質なので石英の磨いたものとは肌触りがちょっと異なります。
灰色の部分はクリストバライトという鉱物で、このように層状に入るのが和田峠産黒曜石の特徴でもあります。
上の写真の様にガラス質の為に光に透かして見ると半透明に透ける石もあります。
ぼんやりと内部の様子が見えておもしろいですよ。
こちらは、昭和37年から5年間だけ長野県下諏訪町にある和田峠の高見沢鉱山より採掘された黒曜石です。
真黒(シンクロ)と呼ばれ、以前は山梨県甲府市の研磨業者によりカフスセットやブローチなどが作られました。
和田峠産黒曜石のブレスレットです。不透明な黒い黒曜石に灰色のクリストバライトによる縞模様を活かしたブレスレットです。
表面が細かく傷ついて白くなっている部分がありますが、ガラス光沢のある石です。
オブシディアン / Obsidian
和名:黒曜石(黒耀石)
分類:火成岩
硬度:5
劈開:なし
断口:貝殻状
産地:長野県諏訪郡下諏訪町和田峠
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