ブラジル産のスモーキークォーツ(煙水晶)です。
スモーキークォーツ(和名:煙水晶又は茶水晶)は、淡い褐色や黒っぽい水晶質の鉱物です。
水晶に混入したわずかなアルミニウムが長い年月をかけて自然界の放射線を受けることで淡褐色になった鉱物です。
真っ黒の水晶は、モリオン(黒水晶)と呼ばれていますが、スモーキークォーツとの境目は、はっきりとはしておりません。
モリオン(黒水晶)の鉱物解説はこちらの「モリオン(黒水晶)の鉱物解説」をご覧ください。
つづいて、産地です。
ブラジル連邦共和国のミナスジェライス州です。
世界有数の鉱物を産出するミナスジェライス州で、この州の名前は鉱産資源が豊富なため「万人の鉱山」を意味しています。
こちらのスモーキークォーツの産地は、ミナスジェライス州のどこのエリアかはわかりませんが、オンライン鉱物データベースの"mindat"によるとAracuaiやDiamantinaなど多くのエリアから産出します。
また、ブラジル産以外にもアメリカやオーストラリア、スイス等、多くの産地で産出します。
スモーキークォーツは、火成岩や花崗岩で多く見つかります。
花崗岩は内部に微量な放射線を含んでいることがあり、その一帯で成長した石英は、しばしばスモーキー色をしています。
日本でも岐阜県の蛭川村の花崗岩より黒水晶やスモーキークォーツが産出していました。
また、200から300度以上の高温や紫外線に長期間当たることで色が薄くなることもあります。
こちらの写真のスモーキークォーツは柱状をした結晶で、根元部分にはベージュ色をした長石が共生しています。
こちらは、スモーキークォーツを光に透かして撮影したものです。
真っ黒な結晶では無いため、薄っすらと光を通して淡い色合いになります。
こちらは、ゴツゴツとした柱状のスモーキークォーツです。小さな結晶が重なるように成長したカテドラルクォーツです。
こちらのスモーキークォーツの錐面には、凸状の三角形が表れており、これは、レコードキーパーと呼ばれています。
この盛り上がった部分は、水晶が成長する際にできた「成長丘」であると考えれれています。
こちらは、岐阜県中津川市苗木町(旧:恵那郡苗木町)のスモーキークォーツです。
石英状の母岩に小さいながらも淡褐色の錐面や柱面のある結晶が成長しています。
こちらは、磨いたスモーキークォーツの詰め合わせです。
石英質の鉱物ですので、硬さがあり、磨くことにより表面は艶がでます。
また、淡褐色は均一ではなく、淡い部分があったりひとつひとつの色合いが異なります。
スモーキークォーツのブレスレットです。
こちらは、放射線を人工照射して色を濃くしたスモーキークォーツのブレスレットです。
アクセサリーとして流通しているものは、この様に照射処理をしてあるものが多いです。
スモーキークォーツ / Smoky Quartz
和名:煙水晶又は茶水晶
分類:珪酸塩鉱物
モース硬度:7
劈開:無し
断口:貝殻状
光沢:ガラス光沢
結晶構造:三方晶形
比重:2.7
産地:ブラジル ミナスジェライス州
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・Mindat 「Smoky Quartz」 (https://www.mindat.org/min-3689.html) 閲覧日:2021年6月18日
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